みなさんは今現在の働き方に満足していますか。
他の諸外国に比べて、今の日本では仕事内容や職場の環境などに満足していないというケースが多いようです。
世間では「働き方改革」といった言葉が独り歩きしており、政府も推奨していますが、本当に働き方改革を正しく理解して、実践・成功している会社はほんの一部でしかありません
働き方を改善する方法の一つとして『テレワーク』というワークスタイルがあります。
『リモートワーク』という言葉もありますが、ほぼ内容は同じです。
『在宅ワーク』なども同じと考えていいでしょう。
筆者である私はフリーランスとして活動していて、主に自宅や共有のワーキングスペースで仕事をしているので実質テレワークをしていることになります。
『通勤』という行動を捨てて4年目。
40歳を過ぎてからフリーランスになり、その流れで自然とテレワークスタイルへと移行していきました。
そのテレワークを実際に導入している会社は一部のIT系企業か有名な大企業にとどまっており、中小企業をはじめとする大半の会社は導入に高いハードルを感じているのが現状です。
テレワークといえば
「会社に出社せずに自宅やカフェで仕事をすること」
とぼんやりとしたイメージを抱いている方も多いのではないでしょうか。
将来を考えると、そのうちに取り入れていくべきだとは感じているが
- 何から始めたら良いのかわからない
- 費用がかかりそう
- ITなんてよくわからない
- 従業員の管理が難しそう
といった声をよく聞きます。
大手の大企業で働く方にとっては参考にならない内容かもしれませんが、この記事では中小企業や個人で事業をしている方々を対象にテレワークの基礎知識と導入方法を紹介します。
テレワークの知識とスキルを身につけると働き方の選択肢が増えるので
- 独立起業を考えている
- フリーランスで働きたい
- 子育てしながら働きたい
- 介護をしながら働きたい
といった方々にもぜひ知っておいてもらいたいです。
テレワークとは?
テレワークとは「tele = 離れた所」と「work = 働く」を組み合わせて言葉で、情報通信技術を活用して時間と場所にとらわれずに柔軟に働くことを言います。
情報通信技術とは「ICT(Information and Communication Technology)」のことです。
「ICT」と言われても何のことだかサッパリわかりませんよね。
簡単に言うと
『パソコンやスマホの中にあるインターネットを利用した通信サービスを利用してコミュニケーションを取ること』
と考えてください。
「telework(テレワーク)」という造語がいまいちピンとこない方は
「tele = 離れた所」と「phon = 音」でテレフォン(電話)
「tele = 離れた所」と「vision = 映像」でテレビジョン(テレビ)
という言葉を思い浮かばせるとイメージしやすいかもしれません。
妊娠・育児・介護の理由がある人や身体的に障害がある人でも働くことができるので、働き方改革の一環としてテレワークを導入する企業も増えてきています。
テレワークに必要なもの
一般的にテレワーク必要なものはパソコンとインターネット回線です。
移動中ならばパソコンの代わりにスマートフォンやタブレット端末で代用できます。
パソコンに映像を撮るためのカメラと音声を録るマイクもあったほうが良いでしょう。
ノートパソコンやスマホであれば大抵カメラとマイクが付いていますが、デスクトップパソコンだと付属していない場合もあるので別途購入する必要があります。
相手側の音声を周囲に聞かれたくなければ、ヘッドホンとマイクがセットになっているものがオススメです。
ヘッドセット
カメラがないパソコンはモニターの上などに取りつけることができるカメラがあります。
WEBカメラ
複数人で行う会議やミーティングでは部屋全体の音を録ることができるマイク付きスピーカーが便利です。
マイクロホン PC USBスピーカーフォン
テレワークのメリット
テレワークによって
- 経費(コスト)の削減
- 人材の確保
- 生産性の向上
- 非常事態での事業継続
- 従業員の満足度向上
- 新規雇用の創造
といったメリットがあります。
順番に解説していきましょう。
1 . 経費(コスト)の削減
大きくて立派な事務所を借りる必要もありませんし、机や電話、事務用品などのオフィスにかかる経費を削減できます。
それに従業員の通勤や移動にかかる交通費も削減可能になります。
2 . 人材の確保
育児や介護を行う必要がある従業員の離職を防ぐことができます。
これからの時代は人口が減っていくので、労働力を維持し続けるのが難しくなっていきます。
平均寿命が伸びていき、高齢化が進んでいく社会では、若くて働き盛りの男性を中心にした組織づくりには限界があります。
テレワークを導入することで育児や介護、病気療養などを行っている従業員が仕事を継続することができます。
また離職率を下げることで、新たな人材を採用・育成するための時間と経費を節約することができます。
3 . 生産性の向上
テレワークではオフィスを経由する必要がなくなるので顧客に対して迅速に対応することができます。
業務においても、情報の共有や経過の保存が簡単にでき、仕事を中断させる外的要因を減らすことができるので効率アップにつながります。
4 . 非常事態での事業継続
地震や悪天候といった災害時や交通機関のトラブル、感染症流行などによる非常事態においてもオフィス以外で働くことができる従業員がいれば事業を継続することができ、損失を抑えることができます。
5 . 従業員の満足度向上
拘束時間を減らすことで『家族と過ごす時間が増える』『スキルアップに費やす時間が持てる』『育児や介護と仕事を両立できる』『ストレス軽減』といった効果をもたらすことができます。
6 . 新規雇用の創造
従業員の満足度が高く、育児や介護をしながら働くことができるので企業のイメージアップにつながります。
その結果、求人募集の際に人気が出て優秀な人材を確保しやすくなります。
また、通勤できない遠方に住んでいる人材も雇用できるといった面もあります。
テレワークのデメリット と対策方法
良い面ばかりではありません。
注意することもあるので事前に把握しておきましょう。
考えられるデメリットは以下のようなもの。
- セキュリティ対策が必要
- 勤怠管理の新たなルールが必要
- コミュニケーションの不足
- 自己管理能力が必要
1 . セキュリティ対策が必要
オフィス以外でIT端末を使って仕事をすることにより、情報が漏洩する危険性が高くなります。
情報漏えいを防ぐには情報データを取扱うルールを決めることとウイルス感染の対策、公共のWi-Fiに接続しないといった意識の教育が必要です。
2 . 勤怠管理の新たなルールが必要
いつ、どこで、誰が、何をしているかを可視化しないと生産性が下がってしまいます。
離れた位置にいても仕事内容を管理できるツールを導入したり、日時を決めて定期的にミーティングを行うようにしましょう。
3 . コミュニケーションの不足
メールやチャットなどの文字だけでコミュニケーションを続けていると相手の表情やニュアンスが伝わりにくくなります。
関係性を円滑にするため、お互い思いやりを持って言葉づかいに気を配ることが大切です。
4 . 自己管理能力が必要
他人の目がなくなるので仕事の進め方は個人に委ねられることになります。
その分、仕事の成果は如実に出ます。
業務の報告、連絡、相談をしっかり行い、事前に決めたスケジュールに沿って仕事をするようにしましょう。
テレワークの導入方法
職種によってテレワークの導入しやすさは異なってきます。
テレワークしやすい職種を挙げるなら
以上の方々は必ずしも現場にいる必要がなく、パソコンがあれば一人でも作業しやすい職種です。
テレワークするのが難しい職種といえば
以上のようなお仕事をされている方は特定の機械や設備が必要であったり、対面での顧客対応がメインとなるので、テレワークの導入が難しいところです。
組織全体で一斉にテレワークを導入しようとすると混乱をしてしまうので
- 資料や企画書、報告書の作成といったものなど、一部の仕事をテレワークで行ってみる
- 週に1~2日だけ導入してみる
- まず、できる人から順に実行してみる
といった具合に段階的に試していくのが成功の秘訣です。
拒絶している人に無理やりやらせても良い結果は出ないでしょう。
そして、事前に共通のルールを決めておくのも大切です。
仕事の開始と終了時間
休憩時間
作業の進捗
といった報告事項や
電話とメール、チャットツールの使い分け方法
やりとりするテキストの文面
などを普段以上に意識してお互いに気持ちよく仕事できるようにしましょう。
便利なツール紹介
離れた場所どうしでもインターネットを利用してビデオ会議ができるツールを紹介します。
ZOOM
テレワークが認知されてから利用する人が増えているのが「ZOOM」というツール。
私の周囲でも利用している人が多く、ビデオ会議やオンラインでミーティングといえば「ZOOM」を選択するケースが一番多いです。
無料プランの場合、3人以上だと40分までしか使用できないという制限があるので注意しましょう。
Whereby
「Whereby」の良いところは、アカウントを作る必要がなく、アプリをダウンロードしてインストールする必要もないということです。
会議の参加者にURLを伝えるだけで簡単に参加することが可能です。
5人以上で利用する場合は有料プランにする必要があります。
仕事でのコミュニケーションを円滑にするチャットツールを2つ紹介します。
Slack
IT系の企業では必須となっているコミュニケーションツールです。
1対1はもちろん、複数人のグループでも使えるので、プロジェクトやチーム別に区分して使用すると行ったことも可能です。
パソコンとスマホ、タブレットでも同期できるので、場所を選ばずにどんな環境でも使用できます。
画像や書類など、さまざまなデータを手軽に送受信できますし、業務上のやりとりも保存可能で検索すれば簡単に振り返ることができます。
chatwork
「chatwork」もメッセージやデータの送受信を簡単に行えるツールです。
操作画面がシンプルなので「Slack」よりも直感的に使えます。
タスク管理機能が優秀で、チームメンバーの進捗情報が可視化できるといった機能があります。
Slackとchatworkのどちらを選べばいいのか迷う方は以下の記事を参考にしてみてください。
まとめ
10年後、20年後の社会状況を考えるとテレワークは避けられないのが想像できます。
テレワークには良い面と悪い面の両方あります。
お互いに気配りして、正しく意思疎通できているかのコミュニケーションを大切にすればトラブルを避けることができます。
テレワークに少しずつ慣れていくよう、バランスを取りながら導入していけば企業と従業員の双方にとって良い結果をもたらすことができるので、まず出来そうなことからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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